【4月7日 AFP】オランダ警察は6日、同国を代表する画家、ビンセント・ファン・ゴッホ(Vincent Van Gogh)とフランス・ハルス(Frans Hals)の絵画各1点を国内の美術館から盗んだ疑いで58歳の男を逮捕した。盗難品の発見に近づいたとしている。

 男は、ゴッホの1884年の作品「Parsonage Garden at Nuenen in Spring(春のヌエネンの牧師館の庭)」と17世紀の画家ハルスの1626年の作品「Two Laughing Boys(笑う2人の少年)」を昨年盗んだ容疑で、中部バールン(Baarn)の自宅で逮捕された。

 警察は「両作品の盗難について、検察主導で何か月にも及ぶ徹底的な捜査が行われた」と発表。「これが、バールンの58歳の男の逮捕につながった。男はけさ、自宅で逮捕された。男は、両方の絵画を盗難した疑いがもたれている」

 警察は、最高推定価格が600万ユーロ(約7億8000万円)に上るゴッホの作品も、ハルスの作品も発見できていないものの、逮捕は調査における「重要な一歩」になったとして、作品の回収に向けて捜査を続けると発表した。

 ゴッホの作品はちょうど1年前の2020年3月30日、新型コロナウイルスの感染拡大を受けて閉館していた首都アムステルダム近郊のシンガーラーレン美術館(Singer Laren Museum)から盗まれた。この美術館は、容疑者が逮捕されたバールンから約10キロの距離にある。

 ハルスの作品は昨年8月、リールダム(Leerdam)にあるホフジェ・ファン・メフラウ・ファン・アエルデン(Hofje van Mevrouw van Aerden)美術館から盗まれていた。(c)AFP/Danny KEMP