【4月7日 AFP】中国政府の人権問題を理由に、大会ボイコットを求める声が上がっている2022年北京冬季五輪について、米政府は6日、同盟国とこの件を協議する意向だと話した。

 北京冬季五輪をめぐっては、新疆ウイグル自治区(Xinjiang Uighur Autonomous Region)で少数民族やイスラム教徒100万人以上に対する大規模な強制収容、再教育が行われていると人権団体が主張し、共和党とともにボイコットの要求を強めている。

 その中で、米国務省のネッド・プライス(Ned Price)報道官は6日、同盟国との一斉ボイコットを検討するつもりはあるかという質問に対して、「もちろん、話し合いたいと思っていることだ」と回答した。

 報道官は、「新疆ウイグル自治区でのジェノサイド(大量虐殺)行為、重大な人権侵害を含めた中国政府への懸念」については、米国の行動が「大きな意味を持つ」が、「同盟国やパートナーと共に取り組むことで影響力も強まる」と話した。そして「連携してはたらきかけることが、われわれだけではなく、同盟国やパートナーの利益にもなると理解している」と続けた。

 その一方で報道官は、会見後に自身のツイッター(Twitter)を更新し、米国が「北京五輪に関して何かを表明したわけではない」と強調。「2022年(大会)はまだしばらく先だが、緊密な話し合いを続けることで共通の懸念点を見定め、対応を共有していきたい」と話した。

 ジョー・バイデン(Joe Biden)政権は、北京五輪ボイコットの可能性は否定しないと繰り返す一方で、明確な方向性は打ち出さずにいる。ジェン・サキ(Jen Psaki)大統領報道官は先日、米国オリンピック・パラリンピック委員会(USOPC)と協議すると話している。

 中国は人権団体らによるボイコット要求を非難し、新疆ウイグル自治区にあるのは職業訓練校で、少数民族が過激思想に走るのを防ぐためのものだと主張している。(c)AFP