【4月7日 AFP】国際通貨基金(IMF)は6日発表した最新の世界経済見通し(World Economic Outlook)で、2021年の成長率見通しを6.0%に引き上げた。新型コロナウイルスワクチン接種の加速や、米国を中心とした大型の公的資金投入が成長率予測を押し上げたが、恒久的な影響を防ぐ上での課題は多いとした。

 世界経済は昨年、新型コロナウイルスの影響で3.3%縮小し、平時の落ち込み幅としては約100年前の世界大恐慌(Great Depression)以降最悪となった。IMFのチーフエコノミスト、ギタ・ゴピナート(Gita Gopinath)氏は、景気後退が「少なくとも3倍の規模」に拡大する恐れがあったものの、計16兆ドル(約1760兆円)の公的資金投入を含む各国政府の迅速な対応により、事態の悪化を防げたと指摘した。

 3月に1兆9000億ドル(約210兆円)の追加経済対策が成立した米国の成長率予測は6.4%となり、1月の予測を1.3ポイント上回った。昨年、プラス成長となった数少ない国の一つである中国はプラス8.4%の見通し。ユーロ圏もプラス4.4%と、前回予測をわずかに上回った。

 だがゴピナート氏は、コロナ危機が依然として経済回復の決定的要因だと強調。発展途上国の多くでワクチン接種が遅れていることは、新型ウイルスの流行を悪化させ、それらの国々の将来の発展に影響する恐れがあると述べた。

 IMFは、新型ウイルスの世界的流行により経済活動や貿易が停止したことを受け、2020年には9500万人が極貧層に転落したと試算。栄養不足の人は8000万人増えたとした。

 米国の国内総生産(GDP)は今年、コロナ流行前の水準を超える見込み。中国はすでに昨年、この水準を超えた。だが、GDP回復は他の多くの国では2022年以降、発展途上国は2023年以降になるとみられる。(c)AFP