【4月6日 AFP】ナイジェリアの矯正当局は5日、南部イモ(Imo)州オウェリ(Owerri)の刑務所が重武装の集団に爆発物を使った襲撃を受け、囚人1800人以上が脱走したと明らかにした。同国史上最大規模の脱獄事件だという。

 矯正当局によると、集団はピックアップトラックとバスで乗り付け、刑務所に突入。警備員と銃撃戦を展開し、囚人を逃がした。

 現時点で犯行声明は出ていないが、ムハマドゥ・ブハリ(Muhammadu Buhari)大統領は、「無政府主義者」が実行した「テロ行為」だと主張。治安部隊に武装集団と脱獄囚を確保するよう指示した。

 イモ州は、かねてナイジェリアからの分離独立を求める勢力の温床となっている地域の一部で、政府当局と先住民族イボ(Igbo)人の間でしばしば対立が生じている。今年に入ってからも分離主義組織「ビアフラ先住民(IPOB)」が政府軍と衝突し、一部地域に夜間外出禁止令が出された。

 IPOBは最近、戦闘員に軍事訓練を施す動画をソーシャルメディアに投稿していたが、同組織の広報はAFPに宛てた書面で、刑務所襲撃への一切の関与を否定。かけられている疑惑はすべて「うそ」だと一蹴した。

 映像は襲撃を受けた刑務所前の様子、5日撮影。(c)AFP