【4月6日 AFP】ジャネット・イエレン(Janet Yellen)米財務長官は5日、米国が20か国・地域(G20)に対し、政府歳入の落ち込みを抑える措置として、法人税率の国際的な最低水準を採用するよう呼び掛けていると明らかにした。

 ジョー・バイデン(Joe Biden)大統領は先月31日、2兆ドル(約220兆円)のインフラ整備・雇用創出計画の財源確保のため、法人税の引き上げを発表。国内企業の税率を28%に、多国籍企業を最低21%にするとした。

 シカゴ国際問題評議会(Chicago Council on Global Affairs)で演説したイエレン氏は、国際社会が共同で取り組むことで、税率をめぐる「底辺への競争」を終わらせられると言明。

 企業がタックスヘイブン(租税回避地)へと流れることで政府歳入が落ち込み、経済の競争力が損なわれていると指摘し、「国際的な最低税率を共に活用することで、多国籍企業への課税をめぐるより公平な条件に基づいて世界経済が繁栄することを確実にできる」と述べた。

 ただし、企業や経済が競争力を維持するには、各国政府が「必要不可欠な公共財への投資と危機への対応に十分な歳入を確保し、すべての市民が政府への税負担を公平に分かち合う、安定した税制を有する」必要があると説明した。(c)AFP