【4月5日 AFP】トルコ当局は5日、イスタンブールに運河を建設するレジェプ・タイップ・エルドアン(Recep Tayyip Erdogan)大統領の計画に海軍の退役提督ら104人が公開書簡で懸念を表明したのはクーデターの呼び掛けに等しいと非難し、書簡に署名した元将校のうち10人を拘束した。

 首都アンカラの検察当局は、退役将校10人に逮捕状が出されたほか、4人が年齢を考慮して拘束はされなかったものの、3日以内に警察に出頭するよう命じられたと発表した。トルコの民放テレビNTVによると、14人は「実力と暴力を行使して憲法に基づく秩序を排除しようとした」疑いが持たれている。

 トルコは先月、パナマ運河(Panama Canal)やスエズ運河(Suez Canal)に匹敵する「イスタンブール運河(Canal Istanbul)」の建設計画を承認した。

 この運河は、エルドアン氏が2003年の首相就任以降の18年間で空港や橋、道路やトンネルを次々と新設し、推進してきた「クレイジー」なインフラ事業の中でも最も野心的な計画だ。

 トルコ政府は、欧州とアジアを結ぶ世界貿易の重要航路であるボスポラス(Bosphorus)海峡の通航量を軽減するため、新運河は不可欠だと主張している。

 だが、計画をめぐっては環境への影響を懸念する声に加え、ボスポラス海峡とダーダネルス(Dardanelles)海峡の通航について定めたモントルー条約(Montreux Convention)を骨抜きにする恐れがあるとの指摘がある。

 1936年に結ばれたモントルー条約は、両海峡の平時と戦時における民間船の自由な通航を保障する一方、黒海(Black Sea)沿岸諸国以外の国の軍艦の通航を規制している。新運河ができれば、両海峡を通らずに地中海と黒海の間を船舶が行き来できるようになる。

 退役将校104人が署名した公開書簡は、モントルー条約を「トルコの国益を最大限に守る」合意だと評価し、同条約を議論の俎上(そじょう)に載せるのは「憂慮すべきこと」だと表明していた。(c)AFP