【4月5日 AFP】イースター(Easter、復活祭)の4日、ミャンマーでは人々が飾りを施した卵で国軍が起こしたクーデターへの抗議を示した。バチカンではローマ・カトリック教会のフランシスコ教皇(Pope Francis)がミサのメッセージでミャンマーの若者との連帯を表明した。

 ミャンマーではこの日、飾りの施されたゆで卵がクーデターへの新たな抗議の象徴となった。大勢の人が卵に政治的なメッセージを記し同胞の玄関先に置いた。ソーシャルネットワーク上には、国軍に拘束されているアウン・サン・スー・チー(Aung San Suu Kyi)氏や抗議のシンボルとなっている3本指の絵のほか、「同志を救え」「民主主義」と書かれた卵の写真が投稿された。

 最大都市ヤンゴンを拠点とする抗議デモ参加者の一人は「私は仏教徒だが、卵を手に入れるのは簡単なのでこの運動に参加した。卵に飾りを付けるのに1時間近くかかった」とAFPに語り、「ミャンマーの現状が民主主義に戻ることを祈っている」と述べた。

 バチカンのサンピエトロ大聖堂(St Peter's Basilica)では同日、フランシスコ教皇が復活祭のメッセージでミャンマーに言及。同国の若者について、「憎しみを払いのけるのは愛のみだということを理解し、民主主義を支持し平和的に訴えを主張することに尽力している」と評価した。

 ミャンマーのカトリック教会最高位のチャールズ・マウン・ボ(Charles Maung Bo)枢機卿も復活祭のメッセージとしてツイッター(Twitter)に「イエス(Jesus Christ)は復活した。ハレルヤ。ミャンマーも復活する!」と投稿した。

 ミャンマーではこの日も抗議デモが展開された。同国の人権監視団体「政治囚支援協会(AAPP)」によると、2月1日のクーデター以降の、デモの累計死者数は564人に上る。

 映像は卵を手に持ちデモに参加する人々、ヤンゴンで4日撮影。(c)AFP