【4月4日 AFP】エジプトのオサマ・ラビ(Osama Rabie)スエズ運河庁(SCA)長官は3日、巨大コンテナ船の座礁で先月ほぼ1週間閉鎖されたスエズ運河(Suez Canal)で、通航再開を待っていた420隻を超える船舶の通過が完了し、船舶の滞留が解消したと発表した。

 先月23日にスエズ運河で座礁した巨大コンテナ船「エバーギブン(Ever Given)」は29日、国際的なサルベージ専門家の支援も受けて離礁し、運河の通航が再開した。

 英海運専門紙ロイズリスト(Lloyd's List)は、スエズ運河の通航停止によりアジア・欧州間で1日当たり推定96億ドル(約1兆1000億円)相当の貨物が止まったとしている。

 スエズ運河庁によると、2020年にスエズ運河を通過した船舶は約1万9000隻。平均すると1日当たり50隻程度になる。

 エジプト経済にとって極めて重要なスエズ運河は、2019~20年度には約57億ドル(約6300億円)の通航料収入をエジプトにもたらした。

 スエズ運河通航停止の損害は大きく、専門家らは訴訟が起こされるとみている。今回の座礁をめぐり、コンテナ船を所有する日本の船主会社と運航する台湾の海運会社、そしてエジプト当局が詳細に調べられている。(c)AFP