【4月3日 AFP】香港の司法トップは3日、香港で公職に立候補する全員に対して、過去の経歴をすべて調査すると発表した。

 中国の全国人民代表大会(National People's Congress、全人代、国会に相当)常務委員会は先月30日、香港立法会(議会)の選挙制度変更を全会一致で可決しており、香港を統治するのは「愛国者」のみだとしている。

 香港立法会議員の大多数は親中派の委員会によって選ばれることになり、全候補者は過去のすべての経歴を調査される。

 香港の鄭若●(●は、うまへんに華、テレサ・チェン、Teresa Cheng)司法長官は公共放送RTHKに対し、親中派の委員会は「候補者に関連するあらゆる資料」を考慮の対象とし、それには「(国家への)忠誠心に悪影響を与えたと疑われる」ものも含まれると述べた。

 鄭氏は、考慮する対象に制限はないとし、「過去3~5年間のものに限定することはしない。すべてを文脈で捉える必要があるためだ。(中略)候補者の10年前の言動が、昨日の発言とつながっているかもしれない」と語った。

 中国当局者らは、香港の選挙制度変更と国家安全維持法(国安法)の施行は、混乱を鎮めるための「コンビネーションパンチ」だと発言している。

 新制度の下では、香港の立法会定数は70人から90人に増えるが、うち直接選挙枠は35人から20人に減る。(c)AFP