【4月3日 時事通信社】台湾の特急列車「タロコ号」の脱線事故から一夜明けた3日、東部・花蓮県の現場では復旧に向けて車両の撤去作業が行われ、捜査当局などは原因の究明に本格着手した。死者は51人、負傷者は邦人2人を含む188人に増え、「過去70年で最悪の列車事故」(地元メディア)となった。報道などから、事故当時の惨状も明らかになってきた。

 「まさに地獄だった」。2日の事故直後に現場に駆け付けた救急隊員は、列車内部の様子を地元メディアの取材に語った。中に入ると真っ暗で異常に暑く、あちこちからうめき声が聞こえた。息をしていない人も多く、生存者は大半が重傷を負い、事故の痛ましさを物語っていたという。トンネルの中で脱線した後、壁面に激突したことで衝撃が増したとみられ、先頭車両は大破し、30代の運転士は即死だった。

 一方、捜査当局などは、列車が激突した作業車が、斜面から線路に落下した原因に焦点を絞って調査している。

 作業車は、タロコ号を運行する交通部(交通省)台湾鉄道管理局(台鉄)が、斜面の補強工事を委託している土木工事業者が所有。検察当局は、直前まで運転していた代表者の男の駐車方法がずさんだったため、斜面から線路に落下したとみて、本格的な取り調べを始めた。(c)時事通信社