【4月3日 AFP】米フロリダ州のロン・デサンティス(Ron DeSantis)知事は2日、「個人の自由」が制限されることを理由に、新型コロナウイルスのワクチンの接種を受けたことを証明する文書の使用を禁じる行政命令を出した。

 これにより、同州の公的機関は、ワクチンの接種を受けたことを証明する「規格化された文書」の発行が一切禁止される。同州の民間企業が顧客に、接種を受けたことや、いったん新型コロナウイルスに感染したものの回復して抗体ができていることを証明する文書の提示を求めることも禁止される。

 ドナルド・トランプ(Donald Trump)前米大統領の熱心な支持者である、共和党のデサンティス氏は、「新型コロナウイルスの、いわゆるワクチンパスポートは、個人の自由を制限し、患者のプライバシーを侵害する」と主張している。

 この種の文書は、人の往来や観光の活性化を目指す取り組みとして各国で議論されている。

 今回の命令に先立ち、米紙ワシントン・ポスト(Washington Post)は、感染拡大防止の制限措置の解除を目指すジョー・バイデン(Joe Biden)政権が、ワクチンパスポート発行に向けたガイドライン策定を進めていると報じていた。
 
 中国は先月から、海外旅行をする中国国民を対象に、ワクチンの接種状況やウイルス検査結果を記録する電子証明書を発行している。(c)AFP