【4月2日 AFP】中国におけるイスラム系少数民族ウイグル人の扱いをめぐり、2022年の北京冬季五輪をボイコットすべきだという声が上がる中、同大会に向けた複数のテスト大会が1日に開幕した。

 来年2月に予定されている北京冬季五輪については新型コロナウイルス対策の懸念もあり、ある幹部は先日、パンデミック(世界的な大流行)によって「冬季五輪を円滑に開催することが大きな挑戦」になっていると認めた。

 大会組織委員会は、アイスホッケーやスピードスケート、フィギュアスケート、カーリングを含む五輪・パラリンピック競技に関して、五つの会場で10日にわたるテスト大会の開催を計画している。新型コロナウイルス対策の移動制限により、参加するのは中国人選手のみとなっている。

 今回のテスト大会は五輪の準備に向けた重要なステップとみられているが、国際オリンピック委員会(IOC)のトーマス・バッハ(Thomas Bach)会長は先月中旬、「五輪をボイコットしても何も達成できていない」と述べていた。

 北京冬季五輪をめぐっては、活動家が各国にボイコットすべきだと呼びかけており、200の組織で構成される人権団体の連合体はこの日、米の製菓大手マース・リグレー(Mars Wrigley)に対して、北京冬季五輪の公式チョコレートである「スニッカーズ(Snickers)」を大会から撤去するよう求め、「さもなければ関わり合いによって悪い影響を受ける恐れがある」と訴えた。

 中国政府は現在、同国北西部にある新疆ウイグル自治区(Xinjiang Uighur Autonomous Region)でウイグル人などの少数民族に対してジェノサイド(大量虐殺)が行われているとして、人権団体や一部の国の政府から高まる批判の声にさらされている。

 香港における人権侵害についても厳しい目が注がれている中国は、ボイコットについてスポーツの政治利用だと冷笑する姿勢を見せている。

 映像はテスト大会の練習に臨むアイスホッケーやカーリングの選手の他、メディアセンターやミックスゾーンの様子。1日撮影。(c)AFP