【4月2日 AFP】インド東部ビハール(Bihar)州で、11人が密造酒を飲んで死亡した。当局が1日、明らかにした。遺族は密造酒造りの取り締まりを怠ったとして、当局を非難している。

 アルコール消費量が増加するヒンズー教の春の祭典「ホーリー(Holi)」から数日後の3月31日に8人が、4月1日に3人が死亡した。

 最貧州のビハールは2016年に禁酒令を施行したが、2019~2020年の国民健康調査によると、男性の15%以上は飲酒を続けている。

 遺族が当局に語ったところによると、11人は地元で造られた密造酒を飲んだ後、腹痛と吐き気を訴えて間もなく亡くなった。大半は、農村部の小作農か小規模な自作農だった。

 当局によると、ほかに5人が病院で治療を受けている。

 遺族は複数の村で抗議を行い、11人が死亡した責任は、密造酒の流通を放置していた当局にあると訴えた。

 税務当局者は、同州農村部では収益性の高さから、密造酒造りが「家内産業」になっていると指摘した。

 インド国際酒精ワイン協会(ISWAI)の推計によると、インドの年間アルコール消費量は約50億リットルで、約40%を密造酒が占めている。

 アルコール度数を高めるためにメタノールが加えられることも多く、密造酒による死亡事故がしばしば報じられている。(c)AFP