【4月2日 AFP】米製薬大手ファイザー(Pfizer)と独製薬ベンチャーのビオンテック(BioNTech)は1日、共同開発した新型コロナウイルスワクチンについて、臨床試験で南アフリカ変異株に対する高い効果が確認されたと発表した。

 両社は、南アで実施した2回接種者を対象とした第3相臨床試験で、感染例は確認されなかったと明らかにした。

 一部の変異株は従来株より感染力が強い恐れがあり、ウイルスは常に変異していることから、世界中で既存ワクチンの有効性が懸念されていた。

 両社によると、南アで800人を対象に行った臨床試験で、新型コロナの感染が9例確認されたが、いずれも偽薬を投与した参加者だった。9株の塩基配列を調べたところ、6株は南ア変異株「B.1.351」だった。

 ファイザーのアルバート・ブーラ(Albert Bourla)最高経営責任者(CEO)は、「2回目接種から半年後までの高い効果と、南アで流行している変異株への高い効果が確認されたことで、われわれのワクチンの全体的な有効性への信頼が高まった」と述べた。

 複数の国で実施された4万6307人を対象とした臨床試験では、両社のワクチンの有効性は91.3%だった。発症が確認された927人のうち、850人が偽薬を投与された参加者で、77人がワクチンを接種した参加者だった。

 両社のワクチンの重症化を防ぐ効果は、米疾病対策センター(CDC)の定義で100%、米食品医薬品局(FDA)の定義で95.3%となっている。(c)AFP