【4月2日 AFP】(更新)テニス、マイアミ・オープン(Miami Open 2021)は1日、男子シングルス準々決勝が行われ、大会第2シードのステファノス・チチパス(Stefanos Tsitsipas、ギリシャ)は6-2、3-6、4-6で第26シードのホベルト・ホルカシュ(Hubert Hurkacz、ポーランド)に敗れた。これで今大会は、第1シードのダニール・メドベージェフ(Daniil Medvedev、ロシア)と第3シードのアレクサンダー・ズベレフ(Alexander Zverev、ドイツ)に続き、またも上位シードが姿を消した。

 ノバク・ジョコビッチ(Novak Djokovic、セルビア)をはじめ、ラファエル・ナダル(Rafael Nadal、スペイン)やロジャー・フェデラー(Roger Federer、スイス)といったスーパースターが不在であることに加え、自身も着実な結果が続いて優勝の可能性が開けていたチチパスは、自分にチャンスが到来している感覚があったといい、「もっと余裕で素晴らしいプレーを示せると感じていた。とても悔しい敗戦だ」と話すと、「(チャンスが)目の前にあって、全てがコントロールされていた。すると突然、どういう訳か自滅した」と肩を落とした。

 この試合では、22歳のチチパスが第2セット終了後にシャツとヘッドバンドを取り換えるのに時間をかけすぎていると見なされ、タイムバイオレーションを取られるなど緊張が走っていた。同選手は試合前にも、コートに向かう際に乗るカートをホルカシュと共有するのを拒み、大会関係者と口論になったと伝えられた。

 世界ランク5位のチチパスは、序盤はそうしたもめ事によるいら立ちを一切見せず、第1セットを6-2で圧倒して先取すると、第2セットもいきなりブレークに成功してゲームカウント2-0とリードした。ところが、このまま快勝するかと思われていた矢先、ついに相手が覚醒した。

 ホルカシュは第3ゲームで15-40の劣勢から二つのブレークポイントをしのぐと、このゲームをキープした直後にブレークに成功。これでゲームカウント2-2に追い付き、チチパスの士気をくじいた。さらに、第8ゲームもブレークして5-3とリードすると、次のサービスゲームもノーミスのプレーを展開し、最後は相手を慌ててネットに走らせる鋭い角度のドロップショットで1セットを取り返した。

 これで第3セットも勢いに乗ったホルカシュは、第5ゲームをブレークして主導権を握ったのが決定打となり、勝利をものにした。チチパスの敗退により、今大会で最もシードが高いのは第4シードのアンドレイ・ルブレフ(Andrey Rublev、ロシア)となった。同選手は、同日の準々決勝でセバスチャン・コルダ(Sebastian Korda、米国)を7-5、7-6(9-7)を下し、4強入りを決めている。(c)AFP