【4月1日 AFP】世界保健機関(WHO)は1日、新型コロナウイルス感染者数が急増している欧州で、ワクチン接種ペースが「受け入れ難いほど遅い」と批判し、流行を長引かせていると指摘した。

 WHO欧州地域事務局は、53の国と地域に加え、ロシアと一部の中央アジア諸国を管轄している。ハンス・クルーゲ(Hans Kluge)事務局長は、「ワクチンはパンデミック(世界的な大流行)から抜け出すための最善策だ。(中略)にもかかわらず、ワクチン接種が受け入れ難いほど遅い」と苦言を呈した。

「生産量を増やし、ワクチン接種の障壁を減らし、手元にあるワクチンを一つ残らず使い、今すぐペースアップを図る必要がある」と述べた。

 WHOによると、これまでに欧州地域でワクチンの1回目接種を受けた人は総人口のわずか10%で、接種を完了した人は4%となっている。

 1日平均では、同域の総人口の0.31%がワクチン接種を受けている。これは世界全体平均の0.18%と比べれば約2倍だが、接種率で上位にある米国・カナダの0.82%にははるかに及ばない。

 WHOは、欧州での接種の遅れが「パンデミックを長引かせている」と指摘し、新型コロナをめぐる同域の状況は「ここ数か月よりもさらに憂慮すべき」事態にあるとの見解を示した。(c)AFP