【4月2日 Xinhua News】中国山西省(Shanxi)考古研究院はこのほど、最新の調査成果を発表し、同省陽泉市(Yangquan)で規模が大きく保存状態の良い木造井戸の遺構を発見したと明らかにした。木製部材の年代測定などにより、井戸の建築と使用年代は戦国末期から前漢初期だと判断した。

 古井戸は同市洪城北路の東側、平坦堖(へいたんのう)戦国古城遺跡の北壁から南570メートルに位置する。2019年11月にバラック地区の改造工事で発見され、山西省考古研究院と陽泉市文物管理センターが合同で発掘調査を実施した。

 平面九角形の木造支柱構造で、深さ9メートル、井戸口の内径4・5メートル。井戸壁は、両端を原始的なほぞはぎ構造に加工したカシワの木をそぎはぎして作った九角形の枠を一層ごと積み上げた構造になっている。壁の強度を高めるため、各層ごとにほぞの向きが変えられており、38層が現存する。

 同センターの鄭海偉(Zheng Haiwei)副主任は井戸の工法について、一定の深さまで掘り進んでから支柱による支持を繰り返す「上から下へのブロック式施工」を採用していたと推測する。井戸から大量に出土した波形瓦の破片や木製部材については、地上の井筒や井戸屋形などの構造物と考え、破片の組み合わせ実験を実施。井筒構造の復元に成功したという。

 鄭氏は「九角形の構造は非常に珍しく、精巧な技法が用いられている。木製部品の平ほぞはぎや幅はぎなどは、現存する保存状態の良いほぞはぎ構造の実物であり、これらの発見は、井戸の掘削工法や初期の木製建築の研究、平坦堖戦国古城の史料を補う上で重要な意義を持つ」と語った。(c)Xinhua News/AFPBB News