【4月1日 Xinhua News】中国河北省(Hebei)保定市(Baoding)満城区の陵山にある満城漢墓は、前漢の中山靖王劉勝(Liu Sheng)と妻の竇綰(Dou Wan)の墓で「天下一の崖墓(がいぼ)」と呼ばれる。発掘が行われたのは1968年で、20世紀の中国考古学重要発見の一つとされる。河北博物院社会教育部の李雅雯(Li Yawen)氏によると、同墓から大量に出土した鼎(かなえ)、釜、鑊(かく、鍋)などの煮炊き器やつぼ、杯、罍(らい、つぼの一種)などの酒器は、造形が美しいだけでなく精巧に作られており、設計も科学的だという。中でも「熊足銅鼎(ゆうそくどうてい)」は「古代の圧力鍋」と呼ばれている。

 熊足銅鼎は全体の高さが18・1センチで、口径17・2センチ、胴径20センチ。劉勝の墓とされる1号墓から出土した。容器部分は楕円(だえん)球形で、しゃがんだ姿勢の熊を模した3本の足がついている。胴部の両側には長方形の縦耳が付いており、その上にはうつぶせ姿の獣を模した金具が軸でつながっている。鉢を逆さにした形状のふたの上面にも二つの立ち姿の獣が鋳造されており、ふたを閉めた後に縦耳の獣を45度倒してふたを押さえ、さらにふたを回転させて縦耳の獣の背をふたの獣のあごの下にはめ込むことで、ふたと容器を固定することができる。現代の圧力鍋とよく似た仕組みになっている。(c)Xinhua News/AFPBB News