帝政ロシアから続く高級食料品店、閉店か 報道
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【3月31日 AFP】1901年に創業されたロシア・モスクワの高級スーパー「エリセエフスキー(Eliseevsky)」が、4月に閉店するかもしれない。現地メディアが30日、報じた。
ナタリア・ハリトノワ(Natalia Kharitonova)総支配人は国営タス通信(TASS)に対し、エリセエフスキーを運営する企業との提携が4月に終了する予定だと話した。
また、店舗関係者の話として、4月11日に閉店すると報じられている。
AFPは同店にコメントを求めたが、回答は得られなかった。
ソーシャルメディアではここ数日、きらびやかなシャンデリアの下の棚も通路も空になっている様子を嘆く声が寄せられている。
国営テレビのロシア1(Rossiya 1)は先週、エリセエフスキーの棚に何も並んでいない状態は、戦時中や旧ソ連が崩壊し経済が悪化した時期でも見たことがないと報じた。
エリセエフスキーは、大統領府(クレムリン、Kremlin)からわずか数百メートル先の、高級店が並ぶトベルスカヤ(Tverskaya)通りに位置している。壮麗な内装で知られており、入居する建物は18世紀に建てられた。
富商グリゴリー・エリセエフ(Grigory Eliseev)が、帝政時代の1901年に創業。欧州産のワインやチーズ、珍しい果物などを取り扱い、貴族の間で人気を博した。
旧ソ連時代に店名が「ガストロノムNo1(Gastronom no1)」に変更されたが、食糧難の時代にも珍しい食品が豊富に並んでいた。
店を訪れると今でも、昔ながらの白とワインレッド色の制服に身を包んだ店員が出迎えてくれる。(c)AFP