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【3月31日 AFP】米ニューヨーク中心部で29日、65歳のアジア系女性が男に暴行を受ける事件があった。複数人が気づいていたとみられるが、誰も被害者を助けようとしなかった。米国では、アジア系に対する暴行事件が相次いでいる。

 事件は、マンハッタン(Manhattan)のミッドタウン(Midtown)地区の歩道で白昼に発生。

 警察が公表した防犯カメラの映像によると、男が女性に近づいて腹を蹴り、女性が倒れた後も頭を数回蹴った。

 女性は骨盤の骨折などで入院したが、警察によると、容体は安定している。

 ニューヨーク市警(NYPD)によると、男は「アジア人を差別する発言」をしており、ヘイトクライム(憎悪犯罪)対策班が捜査に当たっている。男の身元は特定されておらず、情報提供を呼び掛けている。

 映像によると、カメラが設置された建物内では、配送員とみられる男性が成り行きを見守っていた。さらに2人の男性が現れたが、うち1人は、女性を蹴った男が立ち去っても女性を助けようとせず、ドアを閉めた。

 ニューヨークでは27日夜にも、地下鉄駅で男が女性の顔を殴る事件が発生し、ヘイトクライム対策班が捜査している。こちらの女性は軽傷で、治療を受けなかった。

 映像は29日撮影・提供。(c)AFP