【3月31日 Xinhua News】中国の企業年金残高は2020年末時点で2兆2千億元(1元=約17円)に達し、20年の運用利回りは10・3%で13年ぶりの最高に達した。人力資源・社会保障部社会保険基金管理局が発表した最新の2020年度全国企業年金基金業務統計で明らかになった。年金保険の「第2の柱」とされる企業年金は第14次5カ年規画(十四五、2021~25年)期間、拡大が検討されている。

 同部の統計によると、20年末時点で、企業年金を設立した企業は10万5200社、企業年金の加入従業員数は2718万人だった。企業年金残高は2兆2500億元、うち運用資産は2兆2100億元で、前年同期比伸び率はいずれも25%を上回った。20年の企業年金基金の運用収益は前年比53・5%増の1931億元、加重平均利回りは2・0ポイント上昇の10・3%だった。

 企業年金の20年の受給者数は225万7100人、うち一括受給が13万2600人、分割受給が212万4500人。受給総額は576億1400万元、うち一括受給が100億7700万元、分割受給が475億3700万元だった。

 中国の企業年金の普及率は全体としてまだ低く、企業年金がカバーする2700万人余りの従業員は企業従業員全体の10%近くにとどまっている。

 中国は第14次5カ年規画(十四五、2021~25年)綱要で、多元的で多くの柱からなる年金保険体系を構築するとの方針を掲げた。「第1の柱」である基本養老年金のほか、「第2の柱」である企業年金の普及率を引き上げ、「第3の柱」である商業年金保険の計画的な展開も図る。業界関係者は、企業年金の拡大がすでに計画段階に入っているとの認識を示した。(c)Xinhua News/AFPBB News