【3月31日 Xinhua News】中国通信機器大手の華為技術(ファーウェイ、Huawei)をめぐり、モバイル決済事業に参入したとの情報が事実だと確認された。電子決済システムなどの開発を手がける深圳市訊連智付網絡がこのほど、新たな株主としてファーウェイを追加し、出資比率を100%とする登録情報の変更を行った。

 中国人民銀行(People's Bank of China、中央銀行)が公式サイトに掲載した情報によると、深圳市訊連智付網絡の事業類型はインターネット決済とモバイル決済に限定されており、決済業務許可証の有効期限は2024年7月までとなっている。

 実のところ、ファーウェイは前々からモバイル決済分野で準備を進めてきた。16年8月には中国カード決済大手の中国銀聯(ユニオンペイ、UnionPay)および中国工商銀行、中国銀行、中国建設銀行、交通銀行などの商業銀行20行余りと共同記者会見を行い、銀行業界統一の決済サービス「雲閃付(モバイルクイックパス)」がファーウェイのモバイル決済サービス「ファーウェイペイ(Huawei Pay)」を全面的にサポートすると発表した。

 携帯電話業界を担当する孫琦(Sun Qi)アナリストはファーウェイについて、国内で2億人以上のスマホユーザーを抱えており、これがモバイル決済市場に参入する上での強みだと分析。

 モバイル決済は消費者にとって重要な決済方式の一つとなっている。中国投資銀行大手の中国国際金融(中金公司、CICC)はリポートで、20年は利用者の74%が毎日モバイル決済を使ったことを明らかにした。モバイル決済では少額決済という特徴が鮮明で、1件当たりの決済金額は100元(1元=約17円)以下が38・4%を占めている。

 中国支付清算協会(PCAC)が発表した「20年モバイル決済利用者アンケート調査報告」によると、昨年は微信支付(ウィーチャットペイ、WeChat Pay)、支付宝(アリペイ、Alipay)、雲閃付を利用した人の割合がそれぞれ92・7%、91・0%、74・9%に上った。

 国信証券は昨年3月、決済業者はすみ分けがはっきりし、集中積度も高いと指摘。決済大手の微信支付と支付宝を合わせた市場シェアは4年連続で90%を上回っていることを明らかにした。また、現時点でアリババグループや騰訊控股(テンセント、Tencent)、網易(ネットイース、NetEase)、百度(バイドゥ、Baidu)などのインターネット大手が第三者決済の業務許可証を保有しているほか、北京字節跳動科技(バイトダンス、ByteDance)創業者の張一鳴(Zhang Yiming)氏の傘下企業も買収を通じて業務許可証を取得しているとした。(c)Xinhua News/AFPBB News