【3月30日 AFP】パレスチナ自治政府は29日、中国医薬集団(シノファーム、Sinopharm)製の新型コロナウイルスワクチン10万回分を受け取った。パレスチナに一度に届いたワクチンとしては最大量。

 自治政府は、国連(UN)などの主導でワクチンの世界的な供給を目指す共同購入の枠組み「コバックス(Covax)」を通じて6万回分のワクチンを受け取り、75歳以上の高齢者と基礎疾患患者を対象に今月21日からワクチン接種を開始したと発表している。

 パレスチナのワクチン接種は、世界有数のワクチン接種率を誇るイスラエルより大幅に遅れている。イスラエルは、占領下のヨルダン川西岸(West Bank)とガザ地区(Gaza Strip)に住むパレスチナ人の大半を接種計画から除外したことで批判を受けている。

 駐パレスチナ中国事務所の郭偉(Guo Wei)主任は、ヨルダン川西岸のラマラ(Ramallah)で開いた記者会見で、供給したワクチンは「ワクチンを世界のために提供するという中国の約束を体現するもの」だと述べた。

 パレスチナのマイ・カイラ(Mai al-Kaila)保健相は、ヨルダン川西岸で新型コロナウイルス感染者数が増加を続けているため、今回のワクチン供給は「ワクチン接種計画の促進に大きく貢献する」と話した。(c)AFP