【3月30日 AFP】メキシコ当局は29日、遺体を黒いごみ袋に入れて親族に返還したとして、東部ベラクルス(Veracruz)州の職員2人を免職にしたと発表した。

 今月26日に発見されたエラディオ・アギーレ・チャブレ(Eladio Aguirre Chable)さん(30)の妹の元に、地元司法当局から黒いごみ袋に入った遺体が届いた。

 チャブレさんは昨年5月、職場のあるカリブ海(Caribbean Sea)のリゾート、カンクン(Cancun)から両親を訪ねた際に、ベラクルス州で行方不明になっていた。

 同州のベロニカ・エルナンデス(Veronica Hernandez)司法長官はソーシャルメディアに投稿された動画で、公務員2人による人権や法的権利の侵害などがなかったか、捜査を開始したと述べた。

 行方不明者親族による地元団体は、チャブレさんの遺族への対応について「残酷かつ非人道的で下劣だ」と批判した。

 ベラクルス州は、麻薬カルテルの抗争が激しいことで知られている。メキシコでは2006年に政府が麻薬撲滅戦争を開始し、軍を投入して以降、約30万人が死亡し、8万人以上が行方不明になっている。(c)AFP