【3月29日 AFP】エジプトのスエズ運河(Suez Canal)で座礁した巨大コンテナ船について、離礁作業に関わるオランダ企業トップは29日、船体の一部を動かすことに成功したとはいえ、「難関はこれから」と慎重な見方を示した。

 サルベージ会社スミット・サルベージ(Smit Salvage)の親会社である、海洋土木大手ボスカリス(Boskalis)のペーテル・ベルドフスキ(Peter Berdowski)最高経営責任者(CEO)はオランダ公共放送NPOのラジオ局に対し、「エバーギブン(Ever Given)」の船首は座礁したままで、作業の最も難しい部分はまだ終わっていない可能性があると指摘。

「船尾が自由になったのは朗報だが、われわれが見る限りこれは楽な方の作業だった。積載物の重量を保ったまま船をスライドさせなければならない以上、難関はこれからだ」と述べた。

 スエズ運河庁(SCA)は同日先に、重量20万トンの同船の船首が現在「80%」正しい方向に向いていると発表。

 これを受けてアブデルファタハ・シシ(Abdel Fattah al-Sisi)大統領は、「きょうエジプト人は、スエズ運河で立ち往生している船の危機の終結に成功した」とツイッター(Twitter)に投稿。離礁に向けた作業の「成功」を称賛していた。

 しかしベルドフスキ氏は、「早まって喜ぶ」のは避けたいと語った。(c)AFP