【3月30日 People’s Daily】中国国家郵便局が発表したデータによると、2020年の中国の速達業務量はあわせて830億件に達し、前年同期比は30.8%増となった。宅配便の件数が急速に増え、人々の生活は便利になったが、廃棄物が大量に発生した。中国国家市場監督管理総局が発表したデータによると、現段階で中国の速達業の年間消費量は、プラスチック廃棄物が約180万トンで、紙類廃棄物が900万トンを超えている。

 これに対し、中国商務省はこのほど、「電子商取引(EC)企業のグリーン発展業務の推進に関する通知」(以下、「通知」という)を公布し、宅配包装のグリーンサプライチェーンマネジメントなどの4つの面を継続的に推進することをめぐり、12の措置を打ち出した。EC企業のグリーン発展を支援し、グリーンモデルへの転換の道に導く。多くのEC企業も包装類廃棄物による環境問題を認識し、商品の包装を軽量化するため多くの措置を取っている。

「配達のお兄さんからこのリサイクル包装箱を勧められた。環境保護のために微力ながら役に立ちたいと思い利用した」と、以前、寧夏回族自治区(Ningxia Hui Autonomous Region)銀川市(Yinchuan)の男性の李さんは「豊BOX」を使って「グリーン配送」を体験した。「豊BOX」とは、中国の大手物流企業の順豊エクスプレスが出したファスナーデザインのリサイクル包装箱だ。「豊BOX」は全体の配送プロセスにテープ、段ボール、プラスチック緩衝材などの伝統的な包装材を使わずに、品物を入れて、スマート盗難防止シールを貼るだけで、配送プロセスに入ることができる。統計によると、1個の「豊BOX」は少なくとも50回以上のサイクルでの使用が可能で、包装材の使用量を大幅に減らした。

 今回の「通知」では、重点地域のEC企業が、分解不可能なプラスチック製の包装袋や使い捨てのポリプロピレンバッグの使用をしだいにやめていき、分解不可能なプラスチックテープの使用を減らすことを明らかにした。

「通知」はさらにデジタル化運営能力を強化し、EC企業がクラウドコンピューティング、ビッグデータ、人工知能(AI)などの現代情報技術を応用し、需給のマッチングを強化し、在庫回転率を向上させ、マルチチャネルの物流共有を推進し、科学的な搭載を応用し、物流コストとエネルギー消費を低減させることを提案している。

 現在、複数のEC企業は物流プロセスでスマート包装システムを導入している。関連システムは商品の特性、運送方式などの条件によって、スマート包装ソリューションを提供できる。深セン(Shenzhen)蛇口網谷国家電子商取引モデル基地は、スマートエネルギーマネジメントプラットフォームを通じてエネルギーデータクラウド分析、エネルギー集中管理の最適化などの機能を実現し、基地の運営効率と清潔性を向上させた。同基地の責任者によると、関連措置は基地全体のエネルギー消費が10%~15%減少し、炭素排出総量が10%以上減少することが期待されている。(c)People’s Daily/AFPBB News