【3月30日 People’s Daily】3月に開かれた中国の全国人民代表大会(全人代)で、2021~2025年の政府の中期方針「第14次5か年計画」草案が討議され、国家発展改革委員会がその特徴を説明した。

 第14次5か年計画は「社会主義現代化国家の全面的建設に向け、新たな道のりを始める最初の5年」と位置づけられ、「経済発展」「イノベーションの推進」「民生福祉」「グリーン・エコロジー」「安全保障」の5分野で20の主要指標を設けた。

 これまでの5か年計画と同じく「経済発展」は最初の重要分野に挙げられたが、国内総生産(GDP)の年間平均成長率の設定を初めて見送り、「合理的な範囲の成長率を維持し、各年で設定する」とした。

 第14次5か年計画では、科学技術の基礎研究10か年行動計画を制定する。研究開発費に占める基礎研究費の割合を現在の6%から2025年には8%に高め、基礎研究を重視する姿勢を鮮明にした。

 20の主要指標のうち民生福祉に関する指標は7つあり、これまでの5か年計画で最も高い割合を占めた。雇用、収入、教育、医療、年金、育児など各分野を網羅し、「都市の失業率を5.5%以内に抑制(2020年は5.2%)」「人口1000人あたりの医師数を3.2人(2020年は2.9人)」「人口1000人あたりの3歳以下の託児施設を4.5か所(2020年は1.8か所)」という3つの目標を新たに追加した。

 第14次5か年計画の期間は緩やかな高齢化の段階に入るため、草案では高齢化への対応を国家戦略に引き上げた。家庭や地域と連携し、医療・健康分野と結合した包括的な高齢者ケアサービスを展開する。

 今回は初めて、安全保障の中で「2025年の食糧総合生産能力を6.5億トン以上」「エネルギー総合生産能力を標準炭素換算46億トン以上」と拘束力のある数値目標を設定した。食糧・エネルギーを安全保障の一環として重視した。

 これら20の主要指標は、従来の指標の継続と時代の要請に応じた革新・改善を兼ね備えており、今後5年間の発展ニーズに合致しているといえる。(c)People’s Daily/AFPBB News