【3月29日 People’s Daily】青山に囲まれ、小川の水がさらさらと流れ、雲南省(Yunnan)騰沖市(Tengchong)清水郷(Qingshui)司莫拉ワ族村は朝一番の太陽の光を迎えた。貧困脱却者の李発順(Li Fashun)さん一家はもちを作る準備で、火をおこしたり、米を蒸すなど忙しくなってきた。ここ数年、司莫拉ワ族村は文化観光産業を発展させ、全国農村観光重点村となり、昨年の観光客数は延べ21万人を超えた。観光客が多く、商売は繁盛している。李さんは一日に300個以上のもちを売っている。

 2012年以来、中国では、文化観光産業による貧困削減事業の本格化により、同産業は人々に恩恵や富をもたらす役割を担うよう推進されてきた。「第13次5か年計画」期間に、中国は計63億6400万元(約1068億円)の観光発展基金を投入し、「三区(チベット自治区、青海省など4省のチベット地区、新疆ウイグル自治区内の4地区)」での人材サポート計画のもとで、文化従事者計13万2000人を派遣し、文化資源、自然資源を文化観光産業に転化させ、貧困者の就職・増収をサポートし、貧困地区の経済・社会発展を促した。

 巴山大峡谷観光地は四川省(Sichuan)達州市(Dazhou)宣漢県(Xuanhan)北東部に位置しており、観光地の総合開発を通じ、貧困山区が文化観光業によって貧困から脱却し、小康(まずまずの暮らし、改革開放時から中国政府が目標として掲げた経済水準)に向かう新しい道を踏み出した。区域102の貧困村、9万1000人の貧困脱却をけん引し、重慶市(Chongqing)、陝西省(Shaanxi)周辺の25の郷鎮に影響を与え、50万人以上の人に富をもたらした。

 貧困地域には生態資源が豊かな地域が多い。

 文化・観光部の関連責任者によると、同部局は関連部局と共同で中央予算内に65億元(約1091億円)を投資するよう手配し、「三区三州(三州とは、四川省凉山州、雲南省怒江州、甘粛省臨夏州)」での656もの観光インフラプロジェクトをサポートし、金融機関の700億元(約1175億円)近くの融資を調整し、農村観光の発展環境を持続的に改善し、貧困地区の観光業の発展を推進している。

 同時に、文化観光分野の貧困削減事業は人材育成も重視している。文化・観光部は「三区」人材支援計画を実施し、「オーダーメード」の人材支援を展開し、農村文化・観光人材プロジェクトを実施し、貧困地区向けのトレーニングクラスを700回以上組織し、貧困地区の内なる力を強力に引き出した。

 同時に、関連部局と企業はさらに文化観光産業の内在的な価値を発掘し、貧困脱却産業のためのバリューチェーンを拡大してきた。「多くの辺ぴな農村の職人は優れた技術を持っているのに、製品は市場で軌道にのることはなかった。より多くの力と協力し、研究開発設計をしなければならない」と、依文グループの夏華(Xia Hua)会長は語った。夏氏によると、同社は雲南省、内モンゴル(Inner Mongolia)、貴州省(Guizhou)、寧夏(Ningxia)など地域の貧困山村で標準化トレーニングを実施し、伝統的工芸品を製品化、ファッション化、国際化し、1万3000人の現地の人々の貧困脱却・増収をけん引した。(c)People’s Daily/AFPBB News