【3月29日 AFP】米国のアンソニー・ファウチ(Anthony Fauci)国立アレルギー感染症研究所(NIAID)所長は28日、米国でこのところ新型コロナウイルスの新規感染者数が横ばいになっているのは、感染対策の「早まった」緩和と関係している可能性があると述べた。

 ファウチ氏はCBSテレビの番組「フェース・ザ・ネーション(Face the Nation)」で、新規感染者数が横ばいになっている原因として、変異株の出現と、各州の感染対策の緩和が早すぎたことを挙げた。

 ファウチ氏は、「新規感染者数が横ばいになった後に増加に転じるのは、わが国で見られたことであり、欧州連合(EU)の幾つかの国でも全く同じことが起きた」と述べた。

 テキサス、メリーランド、コネティカット、ミシシッピなどの州は、感染対策を緩和。マスク着用義務の解除や、飲食店や小売店などの全面または条件付き再開に踏み切った。

 ファウチ氏は、「飛行機内でマスクを着用したとしても、空港に行き、搭乗手続きの列をつくり、飲食や搭乗時にも並ぶ。(中略)感染リスクの増加は避けられない」と述べ、年末年始休暇後に起きたような新たな感染拡大につながる恐れがあるとして、4月のイースター(Easter、復活祭)前後の休暇にも旅行を控えるよう呼び掛けた。(c)AFP