【3月28日 AFP】ミャンマー国軍は27日、首都ネピドーで毎年恒例の「国軍記念日(Armed Forces Day)」の式典を開催し、軍事パレードで武力を誇示した。同国のミン・アウン・フライン(Min Aung Hlaing)国軍総司令官は、クーデターを正当化すると同時に、選挙後は権力を移譲すると主張した。一方、同日行われた反クーデターデモに対する弾圧の死者は、目撃者らの証言によると全国で少なくとも19人に上っている。

 ミン・アウン・フライン総司令官はクーデターを正当化する一方で、国軍が権力を掌握してから発生している反クーデターデモについては、「国家の安定と治安を脅かす可能性のあるテロ行為」は容認できないと警告し、「法が尊重されず、侵害されるなら、われわれが望む民主主義は無秩序なものになる」と述べた。

 同国での権力を掌握して以降、軍事政権は国際的な承認をなかなか得られず、27日の式典には中国とロシアなど、8か国の代表団が出席するにとどまった。

 現地の人権監視団体「政治囚支援協会(AAPP)」によれば、反クーデターデモでは330人近くが死亡しており、治安当局の銃撃による死者も多い。また、3000人以上が拘束されている。

 27日にも全国でデモが行われたが、正午までに各地で暴力行為が発生。AFP独自の調査によると、中部マンダレー(Mandalay)地方で9人、北部シャン(Shan)州で3人、バガン(Bagan)で1人、最大都市ヤンゴンで6人の死亡が確認された。さらにヤンゴンでは市内上空に煙が立ち上る様子も確認された。(c)AFP