【3月27日 AFP】国際サッカー連盟(FIFA)は26日、2022年サッカーW杯カタール大会(2022 World Cup)欧州予選の試合前に、アルファベットが書かれたTシャツを着用して労働者の人権侵害が問題視されている同国に向けて抗議のメッセージを発したドイツ代表に処分を科さないと発表した。

 25日のアイスランド戦に3-0で勝利したドイツのヨアヒム・レーブ(Joachim Loew)監督は、白文字で「HUMAN RIGHTS(人権)」と書かれた黒いシャツを着用した選手たちを支持した。

 デュイスブルク(Duisburg)での試合を終えたレーブ監督は「われわれは、たとえどこであっても世界のあらゆる人権のために立ち上がるという合図になった」とコメントした。

 試合中に政治的メッセージを発することを禁止しているFIFAだが、ドイツに対しては処分を科さないと独スポーツ通信社SIDに明かした。

 FIFAは発表文の中で「表現の自由や、前向きな変化を促すサッカーの力を信じている」と記した。

 カタールの人権問題に関して同様の抗議を行ったノルウェー代表も、処分の対象にならないことがすでに明かされている。

 カタールにおける出稼ぎ労働者の扱われ方については、人権団体からも厳しく非難されている。(c)AFP