【3月27日 AFP】AFPの集計によると、新型コロナウイルスワクチンの接種回数は26日、世界全体で5億回を超えた。接種状況は地域差が大きく、欧州では同日、ワクチンの囲い込みや供給問題をめぐる対立が激化した。

 AFPの集計によると、26日までに世界で接種されたワクチンは5億1291万回以上。うち4分の1以上の1億3300万回は米国で接種された。

 国別接種回数の不平等は常態化しており、貧困国は富裕国に大幅な後れを取っている。世界保健機関(WHO)は26日、すべての国が2021年最初の100日間でワクチン接種を開始できるようにするには、保有国が直ちに1000万回分を寄付する必要があると訴えた。

 さらに欧州連合(EU)諸国もいまだ接種計画を軌道に乗せられておらず、フランスのエマニュエル・マクロン(Emmanuel Macron)大統領は不満をあらわにした。

 EU首脳会談を終えたマクロン大統領は、「新たなタイプの世界大戦」が起きていると発言。「私たちは特に、ワクチンを通じて影響力を獲得しようとするロシアと中国による攻勢と企てに目を向けている」と述べた。ジャンイブ・ルドリアン(Jean-Yves Le Drian)仏外相は、英国がワクチン供給をめぐりEUを「恐喝」したと主張した。

 ロシアの新型コロナワクチン「スプートニクV(Sputnik V)」は多数の国で接種されているが、ロシア政府はマクロン氏の発言について、「全くそう思わない」と直ちに一蹴した。

 一方のドイツは、EUの規制当局が承認すれば進んでスプートニクVを使用すると表明。欧州の分裂の深まりを浮き彫りにした。(c)AFP/Joseph BOYLE with AFP bureaus