【3月26日 AFP】フォーミュラワン(F1、F1世界選手権)に参戦するマクラーレン(McLaren)のザック・ブラウン(Zak Brown)代表は、メルセデスAMG(Mercedes AMG)のルイス・ハミルトン(Lewis Hamilton)について、前人未到となる通算8度目のドライバーズ選手権制覇を成し遂げれば、チームを退団してF1から引退するだろうと予測している。

 低迷期が続いたマクラーレン復活の立役者となっているブラウン氏は、英紙デーリー・メール(Daily Mail)に対して、メルセデスが2022年シーズンに向けてラインアップを一新する際には、レッドブル(Red Bull)のマックス・フェルスタッペン(Max Verstappen)とウィリアムズ(Williams)のジョージ・ラッセル(George Russell)の起用を確信しているとの考えを示した。

 また、マクラーレンとしてはランド・ノリス(Lando Norris)とダニエル・リカルド(Daniel Ricciardo)とともに未来を構築していることから、元チームドライバーのハミルトンに対して来年の古巣復帰をオファーする強い気持ちはないとも明かした。

 今週末に行われる開幕戦バーレーンGP(Bahrain Grand Prix 2021)を控えて取材に応じたブラウン氏は、ハミルトンが来年のシートを探しているなら、今は「時期が悪い」と説明。今季のF1サーカスが新型コロナウイルス感染症(COVID-19)による制限下で史上最多の23レースに備えている中、同選手がメルセデスとの契約を1年にとどめたことが、自身の将来に関するさまざまな臆測を呼んでいると語った。

 さらに、「シートが空席なら、ルイスをマシンに乗せるか? もちろんだ。しかし、われわれは未来に向かってチームをつくろうとしている。これからは、この若手と経験豊富なベテランのコンビネーションでいく」と明かし、「今ルイスを復帰させても、1年か2年くらいの話になるだろう。われわれは選手権を制覇できる準備が整っていないことも自覚している。だから、その位置に到達できるドライバーのラインアップをそろえ、そこにたどり着いたときに彼らが準備できるようにしておく必要がある」と話した。

「もちろん、ダニエルは準備が整っている。今はルイスにとって適切な時期ではないと思う」との考えを示したブラウン氏は、メルセデスの未来について、「2022年にはマックスとジョージがそこにいる姿を見ることになるだろう。それは明白な結論だと考えている」と補足。

「今年ルイスが8回目のタイトルを獲得すれば、あらゆるカテゴリーで史上最多勝利数を記録したドライバーになる。チームとの契約は1年だ。ジョージは契約が満了を迎え、マックスは契約を解除できる権利を持っている」とすると、「マックスには経験と若さがある。ジョージは若さを持っている。私がメルセデスにいるなら、今後5年間に向けて彼らはかなりの『キラーラインアップ』だ」と語った。(c)AFP