【3月26日 AFP】サッカー元アルゼンチン代表のレジェンド、故ディエゴ・マラドーナ(Diego Maradona)氏の息子で、イタリア出身のディエゴ・アルマンド・マラドーナ・ジュニア(Diego Armando Maradona Junior)氏に25日、父親の国籍が与えられた。

 イタリア下部リーグの元サッカー選手である34歳のディエゴ・ジュニア氏は、同国ローマのアルゼンチン領事館で行われたセレモニーで、パスポート(旅券)申請が最終承認された。強いアルゼンチンなまりがあるスペイン語で応じたAFPの取材では、これまで自身を伊ナポリ人とアルゼンチン人のハーフと感じていたと明かした。

 同氏は「ずっとナポリに住んでいたから自分はナポリ人で、イタリア人とナポリ人は違うと常に思っていた」とすると、「それに、(アルゼンチン人であるという)他の50パーセントもある。なぜなら、常に父がアルゼンチンやその人々、そして母国への偉大な愛をわれわれに引き継いでくれていたからだ」と語った。

 現役時代のマラドーナ氏がナポリでプレーしていた際に不倫でもうけた子どもの一人であるディエゴ・ジュニア氏は、法廷闘争の末にようやく認知された。それでも、父親に対しては寛大な言葉を口にしており、「父はいつも人々に喜びをもたらしてくれる人物だった。それはサッカーのフィールド上だけじゃない。彼は時として言葉を失うほどのカリスマ性を持っていた」と話した。

 また、「多くのジャーナリスト」への不満として、「(自分の父親を)モンスターのように描こうとした。彼はそんな人ではなかった」と強調。マラドーナ氏はジョークを言うのが好きな「愛すべき人物」であり、家族は同氏と水入らずで過ごしているときは「とてもハッピー」だったと主張した。

 サッカー史上最も偉大な選手との呼び声が高いマラドーナ氏は、数十年間にわたってコカインやアルコール依存と闘った後、血腫を除去する脳手術を受けた数週間後の昨年11月に60歳で死去した。

 サッカー選手としてはアルゼンチンだけでなく、1984年から1991年までプレーしたイタリア・セリエAのナポリ(SSC Napoli)でも英雄視されている。同クラブがリーグのトロフィーを掲げたのは、マラドーナ氏が所属していたときの2回だけとなっている。(c)AFP/Kelly VELASQUEZ, Alvise ARMELLINI