【3月25日 AFP】24日に行われたテニス、マイアミ・オープン(Miami Open 2021)男子シングルス1回戦で、カナダのバセック・ポスピシル(Vasek Pospisil)が、試合中に男子プロテニス協会(ATP)のアンドレア・ガウデンツィ(Andrea Gaudenzi)会長への怒りを爆発させる一幕があった。

 予選勝者のマッケンジー・マクドナルド(MacKenzie McDonald、米国)との試合で、ボールをコートの外に打ち込んだり、ラケットを破壊したりしたポスピシルは、第1セットの相手のセットポイントで暴言を吐くと、ポイントペナルティーを科されてこのセットを失った。

 そしてチェンジコートの際に主審からどうしたのかと聞かれると、ガウデンツィ会長に向けた批判を長々と展開し、「選手を団結させようとしたことについて、きのうの選手ミーティングでATPの会長に1時間半も怒鳴られた。1時間半だ。ATPのリーダーともあろうものが」などと口にした。

 ポスピシルは昨年、世界ランキング1位のノバク・ジョコビッチ(Novak Djokovic、セルビア)と共に中心となり、プロテニス選手協会(PTPA)を設立した。

 もっと選手が主張できるようにとの目的で立ち上げられた組織だったが、この動きについては意見が分かれ、ロジャー・フェデラー(Roger Federer、スイス)やラファエル・ナダル(Rafael Nadal、スペイン)といったスター選手は今すべきことではないと主張していた。

 結局3-6、6-4、3-6で敗れた試合後、ポスピシルは「きょうのマイアミのコートでの振る舞いを心から謝りたい。愛する競技への敬意を欠いていた。本当に申し訳なく思う」と謝罪。

「昨夜の選手とATP幹部とのミーティングで心が折れてしまった。そしてきょうコートに入るまで、自分が受けていた感情的なダメージを甘く見ていた」と説明し、「改めて、コート上での自分の言動を申し訳なく思う」と重ねて謝罪した。(c)AFP