【4月8日 AFP】(図解追加)暗号資産ビットコイン(Bitcoin)市場の時価総額が1兆ドル(約110兆円)を超え、価格が1年で10倍に上昇する中、このオンライン通貨を持続させるためには膨大な電力が必要とされることに関心が移ってきている。

 ビットコインに関するいくつかのQ&Aをまとめた。

■消費するエネルギー量は?

 英ケンブリッジ大学(Cambridge University)の研究者らがまとめたビットコイン電力消費指数(Cambridge Bitcoin Electricity Consumption IndexCBECI)によれば、ビットコインの「採掘(マイニング)」という取引の過程で消費される総エネルギー量は今年、128テラワット時に達する可能性がある。

 これは世界の電力生産量の0.6%を占め、ノルウェー一国の全電力消費量を超える。

 この数字について、国際エネルギー機関(IEA)のアナリスト、ジョージ・カミヤ(George Kamiya)氏は、中規模の国や電気自動車(2019年で80テラワット時)など新興技術の電力消費量と比較すると多いと思えるかもしれないが、エアコンやファンなどの電力消費量に比較すると少ないと主張する。

 米IT大手グーグル(Google)が2019年に運営全体で消費したエネルギー量は、12.2テラワット時。ビットコイン採掘以外の用途で使用されている世界中のデータセンターは、合計で年間200テラワット時の電力を消費している。

 ビットコインのエネルギー消費に関する初めての指数の一つを2016年に考案したエコノミスト、アレックス・デブリース(Alex de Vries)氏の予測は、さらに悲観的だ。

 同氏によると、ビットコインは最近の価格上昇に伴って利用が増大し、エネルギー消費量は、ビットコインの採掘を扱っていない全データセンターの消費合計をいずれ超えるという。