■「暴力には復讐の要素も」

 ティグレでの最も残酷なレイプの事例の一部には、エリトリア兵が関与している。

 エチオピアとエリトリアが国境線の画定をめぐり武力衝突した20年前、TPLFはまだエチオピア政治を支配していた。レイプされたティグレの女性らはAFPに対し、自分たちが受けた暴力には復讐(ふくしゅう)の要素もあったと思うと話した。

 ティグレ州の町アディグラト(Adigrat)でエリトリア兵に拉致され、集団レイプされたアイルサレムさん(40)は、兵士らは「女を狙え」という命令があったと明かしたと話す。「今度はティグレの住民が泣く番だ」とも言われたという。

 メケレから北のウクロにも、エリトリア兵から凄惨(せいさん)なレイプを受けたと証言する女性らがいる。家族の目の前で被害にったケースも複数ある。

 そうした話がメケレに住む女性の心に重くのしかかり、外出時には「目立たないように」頭を覆い、長いスカートをはく女性もいるとサバ氏は言う。

「これは不安感の表れだ」とサバ氏。「それこそ加害者が望んでいたこと。狙い通りになってきている」 (c)AFP/Robbie COREY-BOULET