【3月25日 AFP】中国・新疆ウイグル自治区(Xinjiang Uighur Autonomous Region)で生産された綿花の調達をやめたスウェーデンの服飾大手「H&M(へネス・アンド・マウリッツ)」が、人権侵害をめぐる批判への態度を硬化させている中国側の猛烈な反発に遭っている。

 24日には、電子商取引(EC)大手アリババ(Alibaba、阿里巴巴)傘下の人気通販サイト「淘宝(タオバオ、Taobao)」からH&Mの製品が姿を消した。このほか、人気俳優2人がH&Mとの関係を解消し、国営メディアもH&Mを批判する論説を掲載した。

 H&Mは昨年、新疆ウイグル自治区での民族的・宗教的少数派の「強制労働」の恩恵を受けていると批判されたことを受け、「新疆綿」の調達をやめ、中国の製糸業者との関係も断つと発表していた。

 H&M中国法人は24日夜、自社は「いかなる政治的立場をも代表しない」と言明し、中国への長期的な投資を今後も続けると発表した。

 中国共産党の青年組織である共産主義青年団(Communist Youth League)は24日、中国版ツイッター(Twitter)「微博(ウェイボー、Weibo)」に、「新疆綿をボイコットするとうわさをまき散らしておきながら、中国で金もうけをしたいだと? 甘い考えだ!」と投稿した。

 国営メディアは、「隠された動機」に基づく「うそ」があると激しく非難している。

 中国中央テレビ(CCTV)は、「中国の釜をたたき壊しながら中国の米を食べている」とH&Mを批判し、その目的は「中国企業とその労働者の発展空間(成長する余地)を損なうことだ」と主張。新華社(Xinhua)通信は、事実を尊重することが肝心だとの見方を示した。(c)AFP