【3月25日 AFP】(更新)新型コロナウイルス感染拡大の影響で1年延期された東京五輪の聖火リレーが25日、福島県からスタートした。出発式典は無観客で行われた。

 聖火リレーは、2011年の原発事故の対応拠点として使われたナショナルトレーニングセンター「Jヴィレッジ(J-Village)」から出発。ピンクゴールドの桜の花をモチーフにしたトーチに火がともされた。

 東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会(Tokyo Organising Committee of the Olympic and Paralympic Games)の橋本聖子(Seiko Hashimoto)会長は、聖火が「暗闇の先の一筋の光」になることを願い、「小さな炎は決して希望を失うことなく、今まさに花開こうとする桜のつぼみのごとく、きょうこの日を待っていました」と語った。

 今回の聖火リレーは大会と同様、これまでの五輪とは大きく異なるものになる。新型ウイルス感染拡大の懸念により、沿道の観客は声援を送ることを禁じられ、出発式典と第1区間は一般観覧が不可となった。

 リレーは約1万人のランナーが47都道府県をめぐり、7月23日に国立競技場(Japan National Stadium)で行われる開会式につなぐ。

 しかし、スケジュールや新型ウイルスの懸念を理由に辞退するランナーが相次いでいるほか、感染状況が改善されなければリレーを中止する可能性もあると言及する自治体もあり、主催者は依然として課題を抱えている。またリレー中に密集が生じた場合は、一部区間が中断になる可能性もある。(c)AFP/Andrew McKirdy with Sara Hussein in Tokyo