【3月24日 AFP】中国の首都北京・大興(Daxing)区は、新型コロナウイルスワクチンの接種を奨励するため、接種済みの人に区内のスーパーで使える割引券の配布を開始した。中国は、接種率の引き上げに向けた施策に乗り出している。

 世界最多の人口を擁する同国は、7月末までに人口の4割のワクチン接種完了を目指している。しかし、国の健康委員会が24日に明かしたところによると、これまでに接種されたワクチンは8280万回分にとどまっている。

 接種計画の進展が予定より遅れている原因には、過去の医療スキャンダルに起因する不信感があることや、国がウイルスの流行抑制に早期に成功したことで、国民の間に切迫感がないことが挙げられる。

 180万人以上が住む大興区は24日、接種を2回受けた人に8〜30元(約130〜500円)相当のクーポンを配布する独自の「ワクチン報奨」キャンペーンに着手。北京日報(Beijing Daily)によると、大興区民の18歳以上の73%以上が、少なくとも1回目の接種を済ませた。

 中国は、自国製ワクチン4種を承認し、その生産を急いでいる。外国製ワクチンは、まだいずれも承認されていない。(c)AFP