台湾の「フリーダム・パイナップル」運動、対中依存の高さ露呈
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【3月25日 AFP】中国は今月、台湾産パイナップルの輸入を禁止した。以来台湾では、地元産パイナップルを買い支える動きが盛んになっている。しかし農家の不安は消えず、台湾経済の対中依存度の高さを問題視する声も強まっている。
台湾で生産されるパイナップルの大半は現地で消費されるが、輸出用の90%は巨大な中国市場で販売されていた。
しかし、中国は害虫が検出されたとして、今月1日、台湾産パイナップルの輸入を禁止。突然の措置を受け、今後の暮らしに不安を抱いた農家はパニックに陥った。
中国による害虫検出の主張について、台湾側は、近年は中国向けパイナップルの99.8%が検疫に合格していたとして、これを退けた。
呉釗燮(Joseph Wu)外交部長(外相)は、中国とオーストラリアの関係が急激に悪化した際、ワインなどの豪産品が中国で高関税の対象になったことを引き合いに出し、「オーストラリアのフリーダム・ワインを覚えていますか?」とツイッター(Twitter)に投稿。「世界中の同志にお願いしたい。台湾を支持し、フリーダム・パイナップルの名の下に再び団結を」と呼び掛けた。
パイナップル産地の屏東(Pingtung)県の農家は、地元の買い支えムードを歓迎。一方で、収穫は始まったばかりだとして、尚早な勝利宣言には慎重な態度を示している。
これまでは収穫量の半分を中国に輸出していたという農家は、「買い支えブームが、収穫がピークを迎える来月まで持たないのではないかと心配だ」と語った。
ある稲作農家は、台湾産品の販売先を多角化させる時が来ていると思うとして、「私たちはより強くなって、自立しなければならない」「台湾は独立国家。常に他者に頼ってばかりではいられない」と述べた。(c)AFP/Amber WANG