【3月24日 AFP】ノルウェー政府は23日、英航空エンジン大手ロールスロイス(Rolls-Royce)傘下のノルウェーのエンジンメーカー、ベルゲン・エンジン(Bergen Engines)の、ロシア企業への売却を認めないと発表した。機密技術情報がロシア政府に渡るのを防ぐため。

 北大西洋条約機構(NATO)加盟国であるノルウェーは2週間前、安全保障への影響を精査するため、ロールスロイスに対しベルゲン・エンジン売却の差し止めを命じた。

 モニカ・メーラン(Monica Maeland)法務・公共安全相は23日、「安全保障分野で協力関係にない国が監督する企業への、当該企業の売却を阻止する必要があると結論付けるに足る、十分な情報を得るに至った」と述べた。

 ノルウェー政府は声明で、ベルゲン・エンジンの技術と同社が製造するエンジンは、ロシアにとって軍事的に非常に重要であり、同社の売却は「ノルウェーおよび同盟国の安保政策の利益に明確に反する形でロシアの軍事力を強化するものだ」との見解を示した。

 ベルゲン・エンジンは従業員数950人で、1999年にロールスロイスの傘下に入った。現地報道によると、同社はノルウェー海軍の最高機密の情報収集艦マルヤッタ(Marjata)のエンジンを提供している。

 ベルゲン・エンジンを買収するはずだったロシアの民間企業TMHグループ(TMH Group)は、従業員数10万人で世界25か所に事業所があり、機関車や鉄道機器を製造している。

 同社は23日、買収が認められず「非常に失望している」と発表した。(c)AFP