【3月24日 AFP】オーストラリアの爬虫(はちゅう)類専門動物園「オーストラリアン・レプタイル・パーク(Australian Reptile Park)」は24日、洪水に見舞われたシドニーで、最も毒性が強い毒グモが水を逃れて民家に押し寄せる可能性があると警告した。

 ニューサウスウェールズ(New South Wales)州では、1週間続いた豪雨により大規模な洪水が発生、シドニー北西部郊外の一部地域は今も冠水している。

 24日には晴れ間が見え、住民がほっとしたのもつかの間、致死性の毒を持つシドニー地域の固有種、シドニージョウゴグモの流入に備えるよう「緊急警報」が発せられた。

 同動物園のティム・フォークナー(Tim Faulkner)園長は発表で、これから暖かくなり、湿度も高くなることから、数日以内にジョウゴグモが「大量発生」する条件がそろっていると警告した。

 毒グモは、シドニーとその周辺地域で発生した大規模な洪水によって生息地を追われ、乾いた場所に避難しているという。

 ソーシャルメディアでは既にここ数日、洪水を逃れた大量のクモがフェンスや建物に群がる様子を捉えた画像が拡散している。

 シドニージョウゴグモは非常に強い即効性のある毒を持つことで知られており、過去に13件の死亡例が確認されている。だが、1980年代前半に解毒剤が作られるようになって以来、死者は出ていないという。

 オーストラリアン・レプタイル・パークは、「大丈夫だと思う」人は、ジョウゴグモを捕まえ、指定の回収施設まで持ってくるよう呼び掛けている。(c)AFP