※作者は「発見・北京中軸線」展示会を開催する展示館の楊思館長。

【3月24日 People’s Daily】北京の中軸線は北の鐘鼓楼から、南の永定門まで、全長約7.8キロで、現存する世界最長で、保存が最も完備していて、歴史が最も古い都市の軸線であり、北京の古代建築の真髄を集めている。デジタル技術に基づく「発見・北京中軸線」展示会は2月14日に北京首鋼園での開催以来、市民の好評を受けている。

 展示会はホログラム、720度のスクリーン、音場の空間情報の計測などのデジタル技術を応用しているため、VRインタラクションによって、仮想の中軸線の北端の鐘鼓楼に登って南へのびる中軸線を眺めることができる。100枚近くの貴重な北京中心部の歴史の画像ファイルも見ることができる。さらに、50枚余りのデジタル衛星写真によって、北京の中軸線と北京の生活と発展・変遷を直感的に体感できる。

 デジタル展示は、文字だけでは表現しにくい多くの効果を示すことができる。

 紹介によると、今回の展示で使用される総合収集技術は、デジタル測量、デジタル写真、三次元(3D)レーザースキャン、近距離写真測量、3Dモデリング、バーチャルリアリティー(VR)などを含む。デジタル収集チームは史料データのマイニング、既存の建築・遺跡の測定、3Dデータの整理、史料に基づいたデジタル修復・復元、デジタルシーンの構築と雰囲気づくりのための照明・レンダリングなどの多分野にわたる技術協力を行った。

「デジタル中軸線」事業は北京の中軸線にある重要な遺産スポット、有形文化財の既存のものをデジタル収集し、文化遺産の現状を科学的に記録する。これに基づき、デジタル技術を通じて、文化財本体を破壊せずに、豊富で多元的な研究を展開し、今後の保護・修理に資料、学術・技術的な助けとなるだろう。同時に、歴史学、建築学、考古学、人類学などの学科の総合研究に基づき、中軸線にある重要文化遺産スポットの異なった歴史時期の変化を復元し、中軸線の歴史時間・空間の次元での変遷と成長を描きだす。

「第13次5か年計画」期間中に、北京は中軸線の世界遺産登録の申請を開始した。清華大学(Tsinghua University)の呂舟(Lv Zhou)教授は、「北京中軸線」の申請活動の重要な参加者としてメディアの取材を受けた。呂教授は、現在、中軸線の申請は「ラストスパート」の段階にあり、世界遺産保護の基準に基づき、中軸線沿線の環境が整備・改善されている。「北京の中軸線は歴史の遺跡というだけでなく、現代の生活のシーン、生きている遺産であり、その価値を引き継いでいる遺産でもある」と述べた。(c)People’s Daily/AFPBB News