【3月23日 Xinhua News】中国社会科学院はこのほど、「2020年度中国インターネット文学発展報告」を発表した。電子書籍大手、閲文集団の年間データと業界の公開データを分析してまとめたもので、ネット文学の2020年を「迭代(更新)」と表現し、ネット文学の内部で質的な変化が起きていると指摘した。データによると、閲文集団のプラットフォームでは昨年、「Z世代」(1990年代後半から2009年生まれの世代)が新規作家の8割近くを占めた。読者に占めるZ世代の割合も6割近くに達しており、特に「00後」と呼ばれる2000年以降生まれの割合は42%を上回った。ネット文学は業界のグレードアップを巡る分かれ目を迎えている。

 Z世代はネット世代とも呼ばれ、インターネットやインスタントメッセンジャーなどテクノロジーの産物から大きな影響を受けている。中国インターネット情報センター(CNNIC)の第47回「中国インターネット発展状況統計報告」によると、20年12月時点の中国のネット文学ユーザー数は4億6千万人に上り、ネット利用者の46・5%を占めた。特に「巣ごもり消費」を追い風にデジタルリーディング市場が着実に成長。ネット文学では作家であれ読者であれ「Z世代」の台頭が目覚ましく、若年化傾向が鮮明になっている。閲文集団のプラットフォームでは昨年登録した新規作家の8割近くをZ世代が占めただけでなく、「90後」(1990年代生まれ)の作家の作品が大ヒットし、「95後」(1990年代後半生まれ)や00後の作家も脚光を浴びるなど、若い作家が頭角を現している。

 Z世代の増加によるネット文学作者の若年化は、ネット時代に生まれた「網生代」がネット文学においてユーザーの主体、消費の主力になりつつあることと同調している。また、ネット文学ではここ2年、無料閲覧サービスやニューメディアの台頭が非常に重要な動向になっている。

 同報告は、無料閲覧サービスプラットフォームにとって、無料サービスと有料サービスの融合的発展が勝負を決める鍵になっていくと指摘。融合的発展によって無料サービスという単一のビジネスモデルに起因する難局を抜け出せるだけでなく、作品の価値掘り起こし、作品ライフサイクルの延長、ユーザー規模の拡大と収益モデルの多様化にも役立つとしている。(c)Xinhua News/AFPBB News