【3月23日 Xinhua News】中国の水素燃料電池大手企業6社と重慶市(Chongqing)九竜坡区政府はこのほど、協力協定に調印、40億元(1元=約17円)を投じて世界をリードする水素エネルギー科学技術産業パークを建設し、「中国西部(重慶)水素バレー」の構築を図ることで合意した。

 協定によると、広東国鴻氫能(水素エネルギー)科技、鴻基創能科技(広州)、勢加透博(北京)科技、理工清科(北京)科技、蘇州瑞駆電動科技、群翌能源の6社が九竜坡区に水素燃料電池の八つのコア部品(①プロトン交換膜②触媒③電極接合体④バイポーラプレート⑤カーボンペーパー⑥燃料電池スタック⑦エアコンプレッサー⑧水素循環システム)と燃料電池システム統合の科学技術産業パークを建設する。稼働後の年間生産額は200億元以上に達し、大手企業の集積により自己完結型の産業構造を形成、同市の水素エネルギー産業の発展に強固な土台を提供する。

 また、広東国鴻氫能科技と九竜坡区、産業関連団体は共同で、数十億元を出資し、全国的な本部運営会社を設立、燃料電池車の実証や普及などを展開し、同市を拠点に運営経験を全国へ広める。

 同市はここ数年、「重慶市新エネルギー車普及応用支援政策措置」「重慶市水素燃料電池車産業発展指導意見(ガイドライン)」など一連の政策措置を発表し、独ボッシュや徳燃(浙江)動力科技など国内外水素エネルギー大手のプロジェクトを導入してきた。

 九竜坡区は、同市が燃料電池モデル応用を加速させると決定した九つの区の一つで、重慶初の水素ステーションの建設が今月始まったほか、水素燃料電池車の研究開発・生産・応用を市内でいち早く展開。同区に拠点を構える慶鈴汽車はすでに国の水素燃料電池車生産資格を取得している。

 今後は水素エネルギーの川上・川下の企業と戦略的提携を展開、水素の製造や貯蔵、燃料電池車の商業運転、産業チェーンの補強・拡大に力を入れる。重慶に立脚、四川(Sichuan)や雲南(Yunan)、貴州(Guizhou)などの各省に広がり、全国にサービスを提供する四川・重慶水素回廊のハブと水素エネルギー産業クラスターの実証拠点を構築し、特色ある中国西部(重慶)水素バレーを形成、水素燃料電池車産業における重慶市の競争力を高めていくことにしている。(c)Xinhua News/AFPBB News