【3月23日 AFP】世界保健機関(WHO)のテドロス・アダノム・ゲブレイェスス(Tedros Adhanom Ghebreyesus)事務局長は22日、富裕国と貧困国の新型コロナウイルスワクチン接種回数の格差について、「日に日に拡大し、おぞましさを増している」と非難した。

 テドロス氏は記者会見で、こうした事態はワクチンを世界中に公平分配する上で予見可能だったにもかかわらず、対策がほとんど取られてこなかったのは「衝撃的」だと発言した。

 テドロス氏は、「重症化リスクが低い、健康な若者にワクチンを接種している国々は、その他の国の医療従事者や高齢者、高リスク群の人々の命を犠牲にしている」と批判。「全国民へのワクチン接種を急ぐ国がある一方、ワクチンが全く手に入らない国もある」

 さらに、富裕国は誤った安心感を手にしていると警告。感染が広がるほどワクチンが効かない変異株が出現する可能性も高まると指摘した。(c)AFP/Robin MILLARD