【3月23日 AFP】英製薬大手アストラゼネカ(AstraZeneca)は22日、同社製の新型コロナウイルスワクチンについて、米国での臨床試験(治験)の結果、重症化予防に100%の効果が示されたと発表した。一方、英調査会社が同日発表した世論調査によると、欧州の多くの国では同ワクチンの信頼度が急落している。

 アストラゼネカ製ワクチンは、他の多くのワクチンに比べ安価で保管が容易だが、欧州などの一部の国々は先週、血栓の散発的な症例報告を理由に同ワクチンの接種を一時停止し、混乱が生じていた。

 アストラゼネカの発表によると、米国で3万人余りを対象に行った治験の結果、血栓のリスク増加は見られなかった。参加者全体の重症化と入院の予防効果は100%、発症予防効果は79%、高齢者の発症予防効果は80%だった。

 欧州連合(EU)規制当局と世界保健機関(WHO)はすでに、同社製ワクチンが安全であり、血栓発症との関連を示す証拠はないと結論しており、フランスやドイツなどはこれを受けワクチン接種を再開した。

 だが英調査会社ユーガブ(YouGov)が3月中旬に実施した世論調査では、ドイツ、フランス、スペイン、イタリアなどのEU主要加盟国で、アストラゼネカ製ワクチンを安全と考えない人が多数派であることが示された。22日にはアイスランドが、同ワクチンの接種停止を継続する方針を表明した。(c)AFP/AFP Bureaus