【3月23日 Xinhua News】中国山西省考古研究院と中国科学院大学(北京市)は、同省北白鵝(ほくはくが)墓地(周代の高級貴族の墓群)で出土した銅壺に入っていた液体と土に対しこのほど実施した科学分析で、果実酒の成分が検出されたと明らかにした。研究者は、先秦時代の果実酒の研究の空白を埋める発見だと話している。

 北白鵝墓地は、山西省(Shanxi)運城市(Yuncheng)垣曲県(Yuanqu)英言鎮(Yingyan)白鵝村の東にある。2020年4月から12月にかけて山西省考古研究院が運城市、垣曲県の文化財部門と合同で発掘調査を実施。墓9基を発掘し、各種遺物500点余りが出土した。

 発掘調査の現場責任者を務めた曹俊(Cao Jun)氏によると、現時点で銅壺は8点出土しており、うち2点に液体、5点に土が入っていた。1点はまだ開封していないという。液体が入っていた壺は密封状態が良く、液体は透明だった。

 中国科学院大学考古学・人類学系修士課程の李敬樸(Ji Jingpu)さんは、研究チームが一つの壺の液体を分析し、アルコールや酢酸、エチルエステルなどの揮発性有機物質を検出したと説明。これらの液体と壺の底の土から抽出した有機物の分析では、酒と関連のある酒石酸やシリング酸、リンゴ酸などの有機酸のほか、エステルやアルコール、アルコールエステル、糖類なども検出され、液体が果実酒であることが裏付けられたと述べた。(c)Xinhua News/AFPBB News