【3月22日 AFP】台湾で22日、新型コロナウイルスワクチンの接種が始まった。蘇貞昌(Su Tseng-chang)行政院長(首相)と陳時中(Chen Shih-chung)衛生相が台北の病院で英製薬大手アストラゼネカ(AstraZeneca)製ワクチンの接種を受け、ワクチンの安全性をアピールした。

 アストラゼネカ製ワクチンをめぐっては今月、血栓の発症リスクへの懸念から、世界各地で接種が一時中止されていた。

 台湾は、アストラゼネカ製ワクチンのメリットは副反応のリスクを上回るとの専門家委員会の判断を受け、接種開始に踏み切った。

 新型コロナウイルス対策が模範的だと評価されている台湾は、人口2300万人のうち感染者は1000人超、死者数は10人にとどまっている。

 しかし、ワクチンの調達は難航しており、これまで台湾に届いたアストラゼネカ製ワクチンは約11万7000回分にすぎない。

 陳衛生相は先月、米製薬大手ファイザー(Pfizer)と独製薬ベンチャーのビオンテック(BioNTech)が共同開発したワクチンの調達交渉が「政治的圧力」により頓挫したとの見方を示しており、中国が交渉を妨害したのではないかという疑いが浮上している。(c)AFP